【結論】旬と関孫六は「同じ貝印」でもまったく別物です
結論から言うと、
旬(Shun)は貝印のプレミアムライン、関孫六はスタンダードラインです。
同じ貝印グループが作っているのに、鋼材・製法・価格帯がまるで違います。
私は関孫六の三徳包丁を3年ほど愛用していたのですが、ある日デパートで旬を試し切りさせてもらったとき、「え、同じ会社の包丁なの?」と驚いたのを覚えています。
トマトを切ったときの吸い付くような刃入り。あの感触は今でも忘れられません。
この記事では、
旬と関孫六の具体的な違いと、どちらを選ぶべきかを料理歴10年の主婦目線で解説します。
貝印の旬と関孫六|ブランドの位置づけの違い
まず大前提として、
貝印グループの中での立ち位置を整理しましょう。
貝印株式会社は1908年創業の老舗刃物メーカーです。岐阜県関市に本社と工場を構えています。
その貝印が展開する包丁ブランドが、大きく分けてこの2つ。
- 旬(Shun):海外市場向けに開発されたプレミアムライン。北米・欧州で大人気で、累計販売数は600万丁以上
- 関孫六:国内市場向けのスタンダードライン。ホームセンターやスーパーでも買える、日本の家庭向け包丁の代表格
つまり、
「旬=海外向け高級ブランド」「関孫六=国内向け定番ブランド」というポジショニングです。
最近では旬も日本国内で買えるようになりましたが、もともとは海外のプロ・料理愛好家をターゲットに作られたブランドなんです。
旬と関孫六の違い一覧【比較表】
具体的な違いを表にまとめました。
| 比較項目 |
旬(Shun) |
関孫六 |
| 主な鋼材 |
VG-MAX鋼(高硬度ステンレス) |
モリブデンバナジウム鋼 |
| 刃の構造 |
ダマスカス69層(芯材をサンドイッチ) |
単層〜3層クラッド |
| 刃付け |
職人による手作業仕上げ |
機械研磨が中心 |
| 切れ味の持続 |
◎ 非常に長い |
○ 標準的 |
| 価格帯(三徳) |
10,000〜20,000円 |
2,000〜6,000円 |
| ハンドル |
積層強化木(D型) |
樹脂 or ステンレス一体型 |
| 製造 |
岐阜県関市の自社工場 |
岐阜県関市の自社工場 |
| 主な販売先 |
百貨店・専門店・海外 |
ホームセンター・量販店・Amazon |
製造場所は同じ岐阜県関市というのがポイント。同じ工場から生まれているのに、素材と工程が全然違うんです。
鋼材の違いが切れ味に直結する
包丁の切れ味を決める一番の要素は
鋼材(はがねざい)です。
旬のVG-MAX鋼とは
旬に使われている
VG-MAX鋼は、貝印が独自に開発した高硬度ステンレス鋼です。
硬度はロックウェルで約60〜61HRC。一般的なステンレス包丁が56〜58HRCなので、かなり硬い部類に入ります。
硬いということは、
刃が薄く鋭くできる=切れ味が鋭いということ。
さらに、このVG-MAX鋼を
ダマスカス69層で挟み込んでいます。あの美しい波紋模様は見た目だけでなく、刃の強度を高める役割もあるんです。
関孫六のモリブデンバナジウム鋼とは
関孫六の多くのモデルに使われている
モリブデンバナジウム鋼は、錆びにくさと切れ味のバランスが良い鋼材です。
硬度は56〜58HRC程度で、家庭用包丁としては十分な性能。
正直に言うと、
毎日の料理で使う分には関孫六で何の不満もありません。
私も3年間メインで使っていて、キャベツの千切りもお刺身も普通にこなせていました。
使ってみて感じた「体感の違い」
関孫六を3年使った後に旬を買い足した私が感じた、リアルな違いをお伝えします。
まず、箱から出して最初に切ったトマト。
関孫六でも薄切りはできますが、旬はトマトの皮に刃を当てただけでスーッと入っていく感じ。力をまったく入れなくていいんです。
次に、玉ねぎのみじん切り。
旬で切ると目が痛くなりにくい。これは切れ味が鋭いと玉ねぎの細胞を潰さず切れるので、催涙成分が出にくいからなんです。
そして一番驚いたのが、切れ味の持続力。
関孫六は月1回は研いでいたのですが、旬は2〜3ヶ月たっても切れ味が落ちにくい。研ぐ回数が減ったのは、ずぼらな私にはかなりありがたいポイントでした。
旬を選ぶべき人・関孫六で十分な人
正直なところ、
関孫六で十分な方のほうが多いと思います。
旬がおすすめな人
- 料理が趣味で、切る作業そのものを楽しみたい方
- 刺身や薄切りなど、繊細な切り方をよくする方
- 研ぐ頻度を減らしたい方(切れ味が長持ちするため)
- 一生モノの包丁が欲しい方
- 料理好きな方へのプレゼントを探している方
関孫六で十分な人
- 料理は好きだけど、道具にそこまでこだわらない方
- コスパ重視で、まずは使いやすい1本が欲しい方
- 食洗機で洗いたい方(関孫六の一部モデルは食洗機対応)
- 初めてちゃんとした包丁を買う方
1万円以上の価格差があるので、「なんとなく良い包丁が欲しい」程度なら関孫六で大満足できます。
旬の価値がわかるのは、
「切れ味の違いを体感で楽しめる人」だと思います。
よくある質問
旬と関孫六は同じ工場で作っているの?
はい、どちらも
岐阜県関市にある貝印の自社工場で製造されています。ただし、旬は専用ラインで職人が手作業で刃付けを行っており、関孫六とは製造工程が異なります。
関孫六から旬に買い替える必要はある?
必ずしもありません。関孫六に不満がないなら、そのまま使い続けるのが一番です。
ただ、
「もう一段上の切れ味を体験したい」という気持ちがあるなら、旬を2本目として買い足すのがおすすめ。私も買い替えではなく買い足しでした。
旬のお手入れは難しい?
特別なお手入れは不要です。使った後に洗って拭くだけ。VG-MAX鋼はステンレス系なので
錆びにくいのもメリットです。ただし食洗機は非推奨。手洗いしてしっかり水分を拭き取りましょう。
まとめ:同じ貝印でも「旬」と「関孫六」は別世界
- 旬=VG-MAX鋼×ダマスカス69層のプレミアム包丁。切れ味と持続力が段違い
- 関孫六=モリブデンバナジウム鋼のスタンダード包丁。コスパ抜群で家庭用に十分
- 同じ貝印・同じ関市の工場でも、鋼材・製法・価格帯がまったく異なる
- 迷ったら、まず関孫六で始めて、物足りなくなったら旬を買い足すのが失敗しないルート
どちらも貝印の品質管理のもとで作られた信頼できる包丁です。
あなたの料理スタイルと予算に合わせて選んでくださいね。
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